7月末に、沖縄へ行きました。初めての沖縄。
元より暑い屋外に強くなく、海で泳ぐわけでもない私ですが、夏の盛りの沖縄を楽しみ、ステキな時間を過ごすことができました。
りっかりっかフェスタ
沖縄へ行くと決めた一番の理由が、このフェスを見てみたいという好奇心でした。
海外から招聘した作品を含む複数の公演を上演するフェスティバル。「国際児童・青少年演劇フェスティバルおきなわ」のタイトル通り、未就学児から小学生を対象の中心にした主にノンバーバルの作品を集めており、大変歴史あるフェスティバルです。昨今の国の文化事業助成問題のあおりもあって助成金が得られず、今年は規模を縮小しての実施だと聞きました。

フェス全体で印象的だったことが2つあります。
1つは、パンフレットにあった『劇場は命薬(ぬちぐすい)』という言葉です。ヌチグスイは、沖縄方言で「命の薬」「長寿の薬」の意味で、感動的な舞台を見た後に「ああ、今日はヌチグスイしたさあ!」となるそうです。戦争や困難な歴史をたくさん持つ沖縄で、琉球芸能や舞台芸術が、命の薬となって心と命を育んでいく、という大きな考え方が素晴らしいと思いました。
もう1つは、フェスの運営を色々なバックグランドのある若い方が手伝っていたこと。受付をしたり、前説(上演前の注意や説明)を多言語で行ったり、とても好感を持てました。
2作品を観劇しましたので感想を少し。
レオの小さなトランク

☆トランクを持った男性がステージ向かって右側で演じる姿を、リアルタイムで撮影し、左側のスクリーンに90度に回転した映像として投影する「レオの小さなトランク」。作品には重力のマジックがあって、映像の中で立っているように見える男性が実際には寝転がっていたり、映像で高いところの物を取ろうとジャンプする時、実際に動く方向は地面と水平だったり。動きと音楽が、本当に緻密に計算されていて素晴らしかった。
この作品では、客席に未就学児の団体がいました…保育園みんなで観に来たかしら。笑ったり手をたたいたり立ち上がったり、動きにつられて声がでたり、途中でおトイレに行く子がいたり。何かへんてこなものを見た、でもいいから、この舞台を覚えていて欲しいなと思いました。
Two

☆「Two」のタイトル通り男女2人が“お出かけ”しようとしていて、コメディタッチの身振り手振りと音楽で物語が進んで行きます。何度もすれ違いを重ねる2人がやっと出会えた時、心からのハグの暖かさが客席に伝わり、観客を巻き込んだハグ大会!が始まります。この作品は、東京の劇場でも上演が予定されていて、今回の旅の同行者はその劇場の関係者でした。
そして、この「Two」の出演者が別作品を演出していて、同行者の知人がそこに関わっているというご縁があり、稽古場に行かせていただきました。アジアの様々な国からの参加者は、俳優・ダンサー・演奏者など専門も様々。ワークショップから作品を立ち上げていく中の、一旦のまとめのリハーサルの日だったようですが、もっともっと変わっていくだろう物語が立ち上がって行くさまを、偶然のタイミングで拝見できて、本当に貴重な体験でした。
シンポジウムにも参加しました。沖縄が抱える平和への思い。国籍によらない、海を伝ってどこまでも広がっていく、文化芸術への思い。未来へ繋がっていく、子供たちへの思い。「命薬」の意味が、時間を伴った重さをもっているように思いました。
私は海外から素晴らしい舞台を招聘したいと、ずっと考えています。今年を含めると3年、ドイツからダンサーを招きワークショップや公演を実施しているので、今回の観劇が何か次の機会に繋がっていくと嬉しいです。
沖縄の伝統工芸
最近、着物の着付けを習いだしたこともあって、織物への興味が再燃しています。
沖縄特有の織物も数多くあり、その中で読谷村の「読谷山花織(ゆいたんざはなうい)」の工房と、焼き物とガラス工芸の「やちむんの里」に行きたくて、観光がてら車を走らせてもらうことになりました。
「やちむんの里」では、一番最初に入った「宙吹ガラス工房」で、ステキな出会いをしました。作家の稲嶺盛吉さんは既に亡くなった方でしたが、気に入ったグラスを自分土産に1点購入しました。やちむんも沖縄方言で、焼き物のこと。たくさんの陶芸工房が集まっていて、彩鮮やかな器が多くありました。海のモチーフが多いのも、沖縄らしさを感じました。
「読谷山花織事業協同組合」では、織機で作業をしている方をのぞき見させていただいて、読谷山花織のお土産を悩んで購入し、反幅帯は高くて買えないけど絶対いつか!と決心しました。受付にいた方とお話もでき、近くの沖縄そばやさんを紹介いただいたので、お昼を食べて帰りました。
滞在中、国際通りでもいくつか店舗に立ち寄りましたが、『民芸品』や伝統工芸にはすべからく憧れます。その土地の風土から生まれたものには、手仕事の繊細さと生命力の強さを感じます。今現在も作り続けられ、日常で使われているのも魅力だなとも思いました。
海・自然・首里城、沖縄
沖縄に来たのだから海を見て帰ろう、と同行者が言ってくれて。読谷村からの帰りに、車を近くに停めて浜まで歩いてみました。


本当に、海の色が違う!透明な青。キレイ。美しい。
そして海が広い。見渡す限り海。対岸も無い。(全部当たり前のことですね)
自分がポツンとしているような感覚でした。暑さに半分朦朧としていたから、よけいに。
そのせいか、火事から再建中の首里城を見に行った時、海まで見渡せる高台に建ち、太陽の動く方角に様々な意味を持つ構造を持つこのお城は、自然と共存して沖縄全体を治める王様がいたところなのだな、と思いました。
場所全体が耀く(かがやく)感じ。赤と黄色は太陽の色なのでしょうね。今年の秋ころに全てが再公開されるそうです。
沖縄そばも、海ブドウも、ゴーヤーチャンプルーも食べ、マンゴーも「ブルーシール」のアイスも楽しみ、沖縄音楽を楽しめる民謡居酒屋でカスタネットのような楽器(「四つ竹」というそう)で参加して、短い時間でしたが沖縄を満喫できました。
今回、有難いことに、3日間とも天気は良くて、台風にも合わずに済みました。8月に入って台風のニュースの雨風の映像を見るにつけ、自然が近いと感じた空気感を思い出しました。
旅行記はこれからも書いていきたいと思っています。その1回目として。
Exhibition Info
りっかりっかフェスタ|国際児童・青少年演劇フェスティバルおきなわ2026
主催:一般社団法人エーシーオー沖縄
海外作品:「やさしいカクメイ」(ベルギー)、「Two」(イタリア)、「四角い世界」(イギリス)、「レオの小さなトランク」(カナダ・ドイツ)ほか
国内作品:「カインとアベル」「チップとチョコ」
子ども(0〜17歳)1,800円 大人(18歳以上)3,000円
フレンド3 5,100円(同3枚付き) フレンド2 4,600円(同2枚付き)
この記事は会期中に実際に足を運んだ体験をもとに書いています。